ブログ
海
社長です。
もう7月。
海水浴のシーズンですね。
今年も海へ遊びに行けそうにありません。
小学3年の息子には申し訳ないと思いつつ
どこかで埋め合わせをしないとなぁ~と
思っています。
今から30年ほど前ですが、私が中学生だった頃。
家族で鳥取に遊びに行きました。
鳥取の海水浴場はどこも大体遠浅で、当時身長が
140センチぐらいだった私でも、30mぐらいは
沖の方向へ歩いて行けました。
でも、その日は少し海が荒れていて、波も高く
足が底に着いたり着かなかったりでした。
私と2番目の姉と岸から4~5mぐらいのところで
波に揺られていました。が、突然、姉だけスーッと
沖のほうへ流されていきました。時折波間から
見える顔は、必死で岸へ戻ろうとして、緊張した
感じに見えました。
姉を助けようと思い、姉に向かって泳ぎだしたところ
後ろから、親父が「オレが行くから、お前は助けを
呼んで来い」と言われました。
私は、必死で岸を目指して泳ぎだしますが、引き戻される
波の力も強くなかなか岸へたどり着きません。
早く人を呼ばなければと思い、まっすぐ岸へ向かうのでは
なく、人の居る方向へ向かってナナメに泳ぎだしたところ
急に体が進みだし、岸へたどり着きました。
海の家に駆け込んで、助けを求めると「今日みたいな日に
泳いだらアカンやろ!」と怒鳴られましたが、すぐに
近くにいたサーファーの兄ちゃん達に声をかけ救出に
出てくれました。
サーファーの兄ちゃんの背中を負いながら浜辺を
走っているのに、足が震えてなかなか追いつけず
頭もボーッとしてきました。
波打ち際まで来ると、沖のほうには何も見えず
波間に人が居る様子はありませんでした。
最悪のことが頭をよぎりますが、ただ信じて沖を
見るだけ。
どれほどの時間だったかは分かりませんが、
サーファーの兄ちゃん達と、親父と姉の姿が
見えました。もう、ほっとするというより、倒れそうな
ほど、疲れました。
岸まで2人を連れ戻してくれたサーファーの兄ちゃん達
にお礼を言うと、兄ちゃん達は、よかったなと言って
さっさと何処かへ行ってしまいました。
親父と姉は、砂浜で座り込んでいて、親父は相当
海水を飲んでしまったみたいで、えらく咳き込んで
いました。そして、私に、何か飲み物を買って来い
と言いお金を渡しました。
先ほどの海の家へ行き、そこの大将にも改めて
お礼を言うと、よかったなと笑ってくれました。
奥の方からオカミさんが「あんた、顔色良くなったな」
と笑顔で出てきてくれました。
取り合えず、飲み物と思い、コーラを2本買いました。
親父達の居る場所へ戻り、コーラを渡すと、親父が
「バカヤロウ!こんな状況でこんなもん飲めるわけ無いだろ」
と一喝されました。・・・確かに。水かお茶にすればよかった。
でも、親父は笑いながらコーラを半分ぐらい飲んでくれました。
その後、おまわりさんが浜辺まで来て、簡単な事情聴取。
最後におまわりさんから聞いたのは、この日、鳥取だけで
9名の方が海で亡くなったということでした。
海で離岸流に遭遇したら、「ナナメに泳ぐこと」は、この時
学習しました。さらに、海で泳ぐ場合は、サーファーが
目の届くところにいると、心強いということです。
また、溺れて救助された人に、コーラはダメです。