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2010 / 09 / 14
00:00

天満のとらやん

社長です。

 

昔 大阪の天満という所に

とらやんという男がおった。

とらやんは毎日何もせんとボーと暮らしとった。

 

という始まりのお話。

もともとは落語か何かだと思うのですが、

私が初めて聞いたのは今から、20年前の話。

 

当時、私はまだ大学生で塾の講師のアルバイトを

していました。担当は、国語。

塾長は、生徒に対して受験やテストに対する緊張

だけではダメだ。ということで、「お話会」という会を

毎週塾内で開いていました。

 

塾長が近所にお住まいのおばあちゃんにお願いして、

いろいろなお話を生徒の前でしてくれました。

私の担当が国語ということもあり、いつの間にか

私はお話会担当になって、おばあちゃんの送り迎え

や、集まった生徒の点呼や何やらを、やっていました。

 

準備が整うと、部屋の電気を消してロウソクを一本だけ

灯してから、おばあちゃんのお話が始まります。

それまで、ざわついていたり、興味無さそうにうつむいていた

生徒たちは皆、徐々にお話に引き込まれていきます。

 

私も毎週毎週のことですが、楽しい不思議な時間を

過ごしていました。

お話が終わると、体の力がどっと抜けて疲れたような

リラックスしたような、よくわからない感覚に陥りました。

 

おばあちゃんの手持ちのお話は20種類くらいだったか?

その中でも、この天満のとらやんは、私は大のお気に入りです。

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