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2010 / 05 / 15
00:00

ネガポジ

社長です。

 

私が東亜ニットに入社したのは14年前でした。

当時、現在弊社が得意とする両面選針機は、

12ゲージの機械が2台ありました。

 

ゲージの都合上、やや太めの糸でしかものづくり

できず。繊細な糸を使用すると全くモノになりません

でした。

通常毛番の2/48程度のウールや毛混を使って

おり、どちらかというと横編みのセーターと競合する

ような商品になっていました。

 

当時よく編んでいたのが、風通組織。

2色の糸でジャガードを編むのですが、表と裏には

色が反転したジャガードが編まれ、色の変わり目で

表生地と裏生地が接結されるという組織です。

この組織のことを当時は「ネガポジ」と呼んでいました。

ネガはネガティブ。ポジはポジティブ。

表裏同柄で、逆配色で編成されるので、そう呼んでいました。

 

その頃社長であった親父は、無理やり「ポジネガ」と

呼んでいました。

何となく気持ちはわかります・・・

 

最近では一般的に風通(ふうつう)編みと呼んでいますが、

これは、接結部分以外は全て空洞になっているため、

風が通るというイメージで、こうした呼び名になったわけ

です。

なんとも、風流です。

 

東亜ニットでは、最近はポケットジャガードと呼んでいます。

空洞がポケットのようになっているからです。

 

実はこのポケットジャガードという呼び名。

2年前パリで生地の展示会をした際に、来場者の一人の

女性が「POCKET?」と聞いてこられて、なんとも

耳触りがいい名前だったので「Yes! Yes!」と答え

てから、この名前を使うようにしました。

 

ただ、今考えると、その女性はもしかすると

「この空洞はポケットとして使えるのか?」という

意味で聞いてこられたのかもしれません。

そこで「Yes! Yes!」と言った私は・・・・

 

今思うと、照れます。

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